乾燥
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薪の良し悪しは、とにかく薪の乾燥度合で決まります。 広葉樹であるナラやカシが良い薪になると言われるのは、これらブナ科の木が堅く、比重が大きいため火力が強く火持ちが良いからです。 もちろんカシやナラに代表される堅い広葉樹は薪の材料として非常に良い木であることは間違いありません。ただ、あくまでも「同じ乾燥度、同じ重さならほとんどの木の総燃焼カロリーはほぼ同じ」という見解もあります。その場合、問題となるは、「1束」や「1棚」「1m³」などのボリューム表示で、樹種の比重と体積の関係を明記しない販売サイトがあることで、これらがユーザーに混乱をもたらす元になっていると考えられます。
一方、比重が軽いので一般には薪ストーブには向かないと言われるスギやマツなどの針葉樹も、よく乾燥させれば良い薪になります。 「ススが多い」などの指摘は、針葉樹の比重が軽いことにより、乾燥が徹底的に行われないのが原因のほとんどで、タール分の多い針葉樹こそよく乾かすべきなのです。 比重が軽いので確かに早く燃えてしまいますが、逆に言えば着火性が良く、体積あたりの価格が安いのでその分どんどんくべればよいわけですから、場合によっては優れた薪といえます。 また、現在のハイテクな薪ストーブでは、燃焼時間を延ばしてじっくり燃やすことも容易です。現に、薪ストーブの本家であるスカンジナビアの諸国では、針葉樹を使うのが普通です。その土地でもっと多くとれる木を使うというのが一番楽です。いくら良い木だといっても、あまりにも高価では日常利用することは不可能でしょう。
乾燥薪の目安は、含水率25%以下のものを基準にするとよいのではないでしょうか。 調べてみると、20%以下とすべきなどの指摘がありますが、現実問題としてそれでは薪の量が不足してしまいます。もっとも、薪の価格について言えば、仮に含水率25%と表示された薪が100kg5000円で売られていれば、その時点の実際の重量は104kgなければならないでしょう。同様に含水率15%であれば、重量はその時点で96kgしかないことになります。 その薪が乾燥しているかどうかは、慣れた人なら、「見た目の割に軽い」、「持ったとき、ひんやりした感じがしない」、 「叩くと乾いた高い音がする」、 「くすんだ色になる」 などで見分けることが可能です。
1万円くらいで市販されている針を刺して計るタイプの水分(含水率)計を使って含水率を測ることはできるのですが、精度が高いとは言えません。それでも、「薪をその場で割って出した断面で計ること」、「できるだけ平らな面に針を差し込むこと」、「何カ所か計って一番高い数字を目安にすること」である程度正確な数値を計測することは可能です。
おおよそ、1年半から2年程度きちんと乾かしている薪が良い薪といえるのではないでしょうか。
割る大きさ
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市販されている薪のほとんどは、かなり細かく割られているようです。乾燥を促進するためと、着火性を良くするために、確かに細かい薪はメリットがありますが、質量に対して表面積が大きいので、大割の薪に比べて、重量の差を上回るスピードで燃えてしまいます。現代のストーブは、放り込んだ薪をじっくりと、そして完全に燃焼させるようにできていますから、乾燥さえ十分なら、薪はできるだけボリュームがあった方が、火持ちは良いです。
最新式のストーブでは、乾燥さえしていれば、直径15センチの丸太でも完全に燃えます。